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研究員紹介/藤本 啓

上席主任研究員

マクロ経済センター

藤本 啓

担当分野
日本経済(消費、物価)
商品市況
東南アジア

プロフィール

2002年同志社大学経済学部卒業。2004年大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。同年日本銀行に入行し、経済調査や国際金融規制関連業務、統計作成等に従事。2014年Monetary Authority of Singaporeへ出向。2010年米国Boston University経済学修士課程修了。2024年より現職。

幅広い経験と俯瞰する視点で、未来を見通す

前職の公的金融機関ではマクロ経済だけではなく、金融領域の調査、国際金融規制に関する業務、経済統計の作成にも携わり、シンガポールに駐在もしていました。その約20年間で培ってきた経済の構造を俯瞰で捉える感覚や、幅広い実務で身につけた知識や経験を、日本や東南アジアの経済調査・分析、予測に活かしていきたいと考えています。特に統計分析は、長い間興味を持ち続けている分野です。統計は、一目で見るとただの数字の羅列です。しかし、他のデータとの関連性のなかで仮説を検証しながら、時には実際に世の中の生の声も確認してまた統計に戻ってくると、これまで見えなかったことが見えてくる。このような発見も自身の発信の特徴にしていきたいです。

その奥にある意味を探し、読み解き続ける

公的金融機関に在籍していたときは、客観的な視点が求められましたが、それに比べ、伊藤忠総研ではファクトを追いかけるだけではなく、実際のビジネスにはどういう含意があるのかという観点で読み解くことが求められます。伊藤忠商事やグループ会社からの依頼に対応する時などは、「そのニーズなら依頼者はこのような情報が必要だろう」と私自身が考えアウトプットすることが重要です。この「必要だろう」の勘所が本当に難しいのですが、経験を重ねながら、勘所をしっかり捉えた付加価値の高いアウトプットを目指していきたいと思っています。

物価高は「豊かな日本」への始まりなのか

いま、最近の物価上昇と賃金の動きについて注視しています。賃金が上昇して消費が増え、その結果物価が上昇する。企業の収益は増え、賃金がさらに上がり、また消費が増えて…という、ずっと望まれてきたサイクルがまわり始めているのか。現時点では賃金が着実に上がっていることがデータで確認できていますが、物価も同じくらい(あるいは賃金よりも)上がっており、世の中の感覚としては、「豊かになった感じがしない」というのが正直なところだと思います。これが今後、賃金の上昇が物価上昇をしっかり上回り、さきほどのサイクルが回り続けることにつながるのか、それとも現在の賃金と物価の上昇は一過性で終わってしまうものなのか、これからの日本経済のためにもしっかりと見極めていきたいと考えています。

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