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研究員紹介/髙橋 尚太郎

上席主任研究員

マクロ経済センター

髙橋 尚太郎

担当分野
北米
中南米

プロフィール

2003年東京大学工学部計数工学科卒業。2005年東京大学大学院情報理工学系研究科修了。同年日本銀行に入行し、国際経済調査や金融市場調査等に従事、英国London School of Economics and Political Science(LSE)経済学修士課程修了。有限責任監査法人トーマツなどを経て、2019年伊藤忠商事入社、同年伊藤忠総研へ出向。

ストーリーとデータの両立で立体的に伝える

私の強みは、ストーリーを見出す力だと感じています。ストーリーと言ってももちろんフィクションを作るのではありません。経済や政治情勢の分析を続けていると、そのなかにある一貫した大きな流れに気づくことがあります。この流れに沿って全体を見直してみると、一見複雑だった事柄が、シンプルなストーリーになって見えてくるのです。このことは、社内向けはもちろん、会社HPへの掲載レポートや雑誌への寄稿文など社外向けの情報発信する際、簡潔に伝わる方法を模索する中で身につけました。もう1つの強みは、学生時代に数理統計学を学び、データを突き詰めるのが習慣になっていることです。この習慣を活かして、見出したストーリーに紐づく枝葉のような1つ1つのファクトを定量的に裏付けし、正確なアウトプットを行っています。

小難しいことを、最短距離で分かりやすく

いま、アウトプットで最も大切にしているのは、「分かりやすさ」です。私たちが社内で情報発信する相手は、短時間で重要な情報を必要とする、会社の上層部や営業の方々が中心です。皆さん集中してレポートに目を通すので、最初にメインのストーリーを最短距離で伝えることが大事となります。注意を払うべきポイントを明確にすることも意識しています。この「分かりやすさ」の追求は、社外向けの情報発信でも同様です。私たちの仕事の意義には、少しでも多くの人たちに世の中で起きようとしている事柄を理解してもらうことが含まれていると考えています。正直、エコノミストが調査・分析することは小難しいことばかりですが、アウトプットが伝えたつもりの自己満足になっていないか、十分に気をつけるようにしています。

先進国でも新興国のような力強さを持つ

私が担当するアメリカの興味深いところは、やはりダイナミズムです。大統領が変わる数年ごとに、世界中から注目されるような大きな政策転換が起こります。また、アメリカには移民が1年間に何百万人も流入するため、高い経済成長が続くとともに、国内に住む人の構成比が変わり社会構造が本当に変わっていきます。そして、この政治と社会構造の変動がアメリカの経済に強い影響を与え続けます。超先進国でありながら、まだ新興国のような力強さを持つのです。一方で、このダイナミズムは荒々し過ぎるところも持ち合わせています。アメリカの政策転換により、日本を含む世界のサプライチェーン構造が変わることや、世界で進む脱炭素化の勢いをそぐ可能性もあります。アメリカのダイナミズムは、世界に混乱を引き起こす存在でもあるのです。

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