ユーロ圏:在庫調整局面に入っているが景気腰折れは回避可能
昨年 10~12 月期の実質 GDP 成長率が前期比年率 0.9%の低成長にとどまったのは、ドイツやイタリアを中心に企業の在庫調整が始まったためである。在庫調整圧力は今年 2 月にかけてさらに強まっていることから、ユーロ圏の低成長は少なくとも今年半ばまでは続くと見込まれる。ただし、雇用情勢が良好な状態を維持する中、乗用車販売など個人消費には復調の気配が見られる。また、ECB(欧州中銀)は、年内利上げを見送るなど、大規模な金融緩和の巻き戻しを慎重に進める構えである。そのため、直ちに景気腰折れに向かう可能性は低いと見る。Brexit 問題や対米貿易摩擦の行方に十分な注意が必要ではあるが、それらによるショックを回避できれば、ユーロ圏の成長率は、2019 年に一旦 1.2%まで低下するが、2020 年には潜在成長率並みの 1.5%を回復すると予想する。