2019.04.25

米国シェールオイルは引き続き世界の原油需給をかく乱するのか?

シェール革命以降、米国の原油生産が急増し、近年は原油相場をかく乱する要因となっている。2014年の原油価格の下落は一時的な減産を招いたが、技術革新などによる生産の効率化を進めた結果、損益分岐点が低下しより低い原油価格での生産が可能となった。供給過剰による原油価格の下落を招きたくない主要産油国は協調減産を継続しているが、シェールオイルの増産により原油相場の上値余地は小さい。米国経済の観点では、原油増産は、鉱工業生産指数の上昇に寄与、設備投資にも影響を与え、今後も米国経済のけん引役となるだろう。他方、中長期的には米国の原油生産は2020年代後半にピークを迎え、関連する投資も徐々に小さくなることが見込まれる。

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