2019.06.25

ユーロ圏:視界不良ながら景気持ち直しに向けた好材料も

1~3 月期の実質 GDP 成長率は、乗用車販売のリバウンドにより前期比年率 1.6%へと一時的に上昇したが、鉱工業の在庫調整が続いているため、当面は低成長を余儀なくされる見込みである。もっとも、①サービス業の雇用意欲はなお旺盛なこと、②ECB による大規模な金融緩和の継続など、景気底割れを回避できる状況は維持されている。5 月に頭打ちとなった企業の在庫過剰感がこのまま緩和されていけば、また、Brexit や対米貿易摩擦に起因するショックが加わらなければ、ユーロ圏経済は今年 10~12 月期ごろから徐々に持ち直していく展開が期待できよう。メインシナリオにおける通年の成長率は、2019 年に一旦 1.1%まで低下するが、2020 年には潜在成長率並みの 1.4%を回復すると予想している。

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