2019.08.26

米国経済UPDATE:利下げが困難になりつつある米国経済

足元の米国経済は引き続き底堅く推移している。雇用者数が堅調に増加する中、所得増によって個人消費の拡大が続いており、最近では労働需給のひっ迫から賃金上昇に再加速の兆しが見られる。さらに、こうした内需の堅調さを背景に消費者物価指数も上昇しつつある。

他方、米中貿易摩擦の影響は徐々に拡大しており、企業の生産活動や設備投資を抑制、先行き不透明感も高まっている。こうした堅調なデータと先行き不透明感の高まりの中、FRB7月に約10年ぶりの利下げを敢行。利下げの有無を巡ってはFRB内部でも意見が割れ始めているが、市場はさらなる追加利下げを期待しており、9FOMCでの利下げ確率は高い。

ただし、それ以降の利下げについては経済が底堅く推移し、物価上昇が高まり始めた中で困難になるだろう。9月以降は金利の急上昇リスクにも注意しておく必要があるだろう。

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