2020.03.30

中国経済情報2020年3月号  新型コロナウィルス感染拡大の中国経済への影響 -伊藤忠拠点が見た中国経済の現状(2020年3月調査)-

伊藤忠総研は3月、伊藤忠商事の中国各拠点を対象に景況感アンケート調査を実施、その結果、景気は東北部の2省市を除いて「やや悪い」状態にあることが確認された。また、前回の調査(20197月)と比較すると、全ての省市で判断が引き下げられた。新型コロナウィルス感染拡大による経済活動停滞の影響により景気が悪化していると見られる。 

ただ、全体として交通機関の復旧や企業活動の再開は進んでおり、最悪期は脱している状況である。北京や上海のような大都市では市外からの入境制限を維持、一部の省市では労働者が十分に戻っていない様子だが、これらの要因が解消されれば、4月にかけて経済活動の正常化は一段と進むだろう。

また、ウィルス感染拡大期間を通じた衛生観念の高まりやオンラインサービスの拡大は、終息後の消費市場やビジネスの動向に変化を与えると考えられる。

執筆者紹介