2020.05.25

ベトナム経済:他のASEAN諸国に先駆けて経済活動は正常化に向かう

ベトナム経済は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、2020年1~3月期の実質GDP成長率が+3.8%と前期(+7.0%)から大幅に減速。外出制限や入国制限の影響を大きく受けたサービス業が全体を大きく押し下げたほか、4月には財輸出も本格的に悪化した。もっとも、足元では新型コロナの感染拡大が収束し、活動制限の緩和に伴って、個人消費は底入れする見込み。年後半には海外経済の復調を背景に輸出も持ち直すと考えられ、海外企業による投資動向次第ではその勢いが増す可能性がある。中長期的には、地場の優良企業が存在する、食品・流通、耐久財製造、情報通信などの産業分野で、高度化・高付加価値化が進むことが期待される。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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