2020.05.26

米国経済UPDATE(2020年5月):経済活動が再開し始めたが急速な復調は見込み薄

米国ではコロナショックの中、13月期の実質GDP成長率が前期比年率▲4.8%とマイナスに転じ、4月分の経済指標も軒並み歴史的な悪化となった。経済の急激な落ち込みに対し、11月の大統領選などを睨んで経済活動の再開を急ぎたいとの現政権の思惑も絡んで、4月下旬以降、行動制約が段階的に緩和され始めた。しかし、感染者数は峠を越えたとは言え高水準が続き、一部の地域では感染再拡大もみられる。少なくとも当面は、急ピッチな制約緩和および景気回復が見込み難く、46月期の成長率は13月期よりもさらに大幅なマイナスとなろう。なお、トランプ政権は、雇用維持企業の支援などの経済対策を矢継ぎ早に打ち出しており、第4弾までの支援総額は約2.9兆ドルと、リーマンショック時を上回っている。また、政府・議会は一段の追加支援も検討中である。ただし、そのアプローチで共和党と民主党との間に意見の隔たりがあり、成立の可否や時期は流動的である。

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