2020.06.30

欧州経済:底打ちの兆しも、ドイツでコロナ再加速懸念が浮上/Brexit将来関係交渉は10月に決着へ

ユーロ圏で一部公表された5~6月分の経済指標は個人消費の底打ちを示唆。しかし、行動制限が遅れた英国の消費復調に向けた動きは限られ、今年の英国の実質成長率は1割超のマイナスとなる可能性が高まっている。復調気配のユーロ圏も、大幅マイナス成長が不可避な上、6月後半にドイツのコロナ感染が再加速し、一部地域で行動制限が再導入されたことが気懸かり。感染第2波の発生でドイツひいてはユーロ圏の景気回復が遅れるリスクに注意。Brexitでは、6/15の英・EUトップ会談で、将来関係交渉が7月以降も継続されることになった一方、今年末での移行期間終了が確実に。2021年初に「円滑な完全離脱」となるのか、あるいは制度上の非連続を伴うHard Brexitになるのかは、10月半ばのEU首脳会議が事実上の最終決着の場となる見込み。

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上席主任研究員 石川 誠

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