2020.08.31

欧州経済:コロナ感染の再拡大が回復の重石に(改訂見通し)

4~6月期の実質GDP成長率はユーロ圏で前期比年率▲40%、英国で▲60%と極度の落ち込み。7~9月期以降の欧州経済は、行動制限や営業停止措置の解除を受けてリバウンドしていく見込み。ただし、スペイン・フランスで感染第2波が発生し、独・伊・英でも追随する可能性が出てきていることは、市民の外出意欲や支出マインドを再び慎重化させる要因となろう。また、世界のコロナ感染状況や景気悪化の状況を踏まえると、訪欧者数や輸出の急回復も期待し難い。従って、今後の持ち直しペースは、ユーロ圏、英国ともに当初(4月時点)の予想よりも緩慢になる可能性が高い。ユーロ圏の成長率は2020年▲9.3%、2021年7.0%と予想。英国は2020年に▲12.0%まで落ち込む後、2021年には9.0%となる見通し。

執筆者紹介

上席主任研究員 石川 誠

執筆者紹介ページを表示