2020.09.29

欧州経済:コロナ再拡大が回復の重石、英EU交渉決裂リスクも

欧州ではコロナ新規感染者が再び増加し、特にスペイン、フランス、英国で大きな第2波が発生。この3ヵ国は9月下旬から、地域を限定しつつ再び市民の外出や飲食店の営業を制限し始めた。欧州経済はユーロ圏、英国ともに持ち直しているが、新規感染者が再び増え、外出制限の地域も出ていることは、市民の移動や支出マインドを改めて慎重化させかねない。加えて、訪欧者数や輸出の急回復も期待し難い中で、10~12月期の景気回復ペースは7~9月期より鈍化する見通し。また当面は、コロナ感染・行動制限が一層拡大し、景気が再悪化するリスクにも警戒を要する。さらに欧州では、10月に英・EUの将来関係交渉が決裂し、2021年初に「Hard Brexit」へ至るリスクが上昇している。英国で発効済みのEU離脱協定を一部反故にする法案が成立する可能性が高まり、EU側の不信を増幅させている。

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