2020.09.29

米国経済UPDATE(2020年9月):(1)コロナショック前の9割レベルを回復して足踏み、(2)最終局面に入った選挙戦に新たな争点が浮上

米国経済は4月を大底に回復局面にあったが、コロナショック前の9割のレベルまで戻した8月ごろから足踏みとなっている。感染拡大が続き外出行動がなお慎重なことや、政策効果の一巡が影響している。今後は経済正常化に向けて再び歩みを進めるとみられるが、議会紛糾によって追加経済対策の成立時期や規模が見通し難いこともあり、今後の景気回復ペースは緩慢になる可能性が高い。このもとで、2020年の実質GDP成長率は▲4.8%と予想する。また、2021年中にコロナ前の経済規模に復する見込みは薄いと考える。

米大統領選は11/3の投票日まであと1か月に迫った。支持率調査によれば、全国平均では民主党のバイデン候補がリードしているが、勝敗を決定づける激戦州の一部はかなり拮抗しており、最終結果は依然として予断を許さない状況。選挙戦の最終局面では、9/29から始まるテレビ討論会での直接対決のほか、最高裁判事の後任人事をめぐる与野党対立の行方が、大きな注目点となる。

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