2020.11.27

米国経済UPDATE(2020年11月): バイデン政権の経済政策による力強い景気回復は期待薄

注目の米大統領選(11/3)は、民主党のバイデン前副大統領の当選が確実となった。バイデン氏は、大型の環境・インフラ投資、税制改正、医療制度改革などを通じてトランプ現政権からの大幅な政策転換を狙っている。しかし、同日行われた議会選挙では共和党が上院の半数議席を確保し、未確定の2議席の一角を取れば過半数に達する状況。そのため、バイデン氏が政権を奪っても、その政策運営は共和党の強力な抵抗にあう可能性が高く、パリ協定復帰など財源不要の施策は実現できても、巨額の財政資金を伴う施策を満額で打ち出すことは困難とみられる。一方、足元では新型コロナの「第3波」が押し寄せ、行動制約を厳格化する州が増えている。「第3波」の影響が波及し当面の景気が弱含む可能性や、バイデン政権による経済政策の景気浮揚効果が限定的となる可能性などを踏まえ、米国の経済成長率予想を2020年▲4.0%、2021年+2.9%、2022年+2.7%に改訂する。

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