2020.12.21
インド経済は、活動制限の緩和が進むもとで、夏場以降は回復を続けている。景気回復の主因となる内需の持ち直しには、金融緩和やローン返済猶予措置などの各種政策により、金融環境の悪化が食い止められていることも大きいと考えられる。今後は、祭事需要の剥落などから、回復ペースが一旦鈍化すると見込むが、新型コロナ感染拡大収束とワクチン接種への期待感を背景に、消費者マインドや企業マインドの改善は腰折れしないだろう。2021年後半には、不良債権処理の進捗などに伴って、再び景気回復が加速すると見込む。こうした中、モディ首相は、労務コスト低下につながる法律を成立させるなど構造改革を着実に進めている。今後も、高い支持率の維持に注意を払いながら、中長期的な産業育成につながる動きを続けるとみられる。