2020.12.25

欧州経済:二番底を打った後も当面は緩やかな回復に

欧州では12月中旬以降、ドイツや英国を中心に、コロナ感染の拡大ペースが再加速しており、多くの市民が外出を制限され、クリスマス・年末年始休暇の計画変更も余儀なくされている。このもとで、10~12月期の実質GDP成長率はユーロ圏・英国ともに再びマイナスへ転じる見込みである。2021~22年は、2021年初のHard Brexit回避、コロナワクチンの順調な普及を前提に、経済正常化に向けた動きが徐々に広がって、内外需ともに回復していく展開を予想している。ただし、2021年前半は、コロナ第2波の影響などが残り、緩やかな成長ペースとならざるを得ないであろう。2022年にかけての成長率予想は、ユーロ圏が2020年▲8.0%、2021年3.8%、2022年4.9%。英国が2020年▲11.2%、2021年7.3%、2022年5.0%。コロナショック前のGDP水準を取り戻すのは、ユーロ圏、英国ともに2022年前半となろう。

執筆者紹介

上席主任研究員 石川 誠

執筆者紹介ページを表示