2021.01.29

中国経済情報2021年1月号

中国経済:一段と正常化が進むも感染再拡大が新たな懸念材料に(20201012月期GDP

10~12月期の実質GDP成長率はコロナ前を上回り、経済正常化の進展が確認された。二次産業に遅れをとっていた三次産業でも回復が進んでいるが、サービス分野の足取りは重い。今後、2020年の景気回復を牽引したインフラや不動産関連の投資は金融緩和策縮小で抑制が見込まれ、輸出も海外の新型コロナ感染再拡大で先行きが懸念される。そうした中で国内の感染状況が悪化すれば、成長の中核と期待される個人消費を中心に景気を下押しする可能性がある。

10分でわかる輸出管理法のポイント

昨年末中国において、「中国の安全を害する品目や技術の輸出の禁止」を主な目的とした輸出管理法が施行された。ただ、①管理基準の定義が曖昧、②具体的管理品目がほとんど未発表、③管理品目を一部含む製品の扱いが未規定、などの問題点が指摘されている。そのため、今後中国とのビジネスにおいては、関連規定の制定動向に注意するとともに、既存取引の点検や規制に抵触した場合の代替措置も検討しておく必要がある。

伊藤忠北京拠点注目のトピック

Z世代が切り拓く「国潮」消費市場

消費市場の新しい主役と期待されるZ世代(11~25歳)は、美意識の高さや個性重視のほか、中国の文化やブランドへの愛着が強いことが特徴といわれている。いくつかの新興企業は、SNSを効果的に活用してZ世代消費を取り込んだり、Z世代が好む中国文化エッセンスを取り入れた商品で売り上げを伸ばすなどして、急成長している。また、老舗企業でもZ世代の国産品志向を追い風に個性的な商品を打ち出すなど新しい取組がみられ始めている。

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