2021.06.24

米国経済:「2022年テーパリング開始・2023年利上げ」への地均し始まる

米国では、新型コロナワクチンの接種が進み、新規感染者数が著しく減少、人々の外出行動もコロナ前の水準に戻りつつある。経済活動は、これまで出遅れていたサービス分野の持ち直しが鮮明になってきている。こうした状況下、6月半ばに開催されたFOMCでは、緩和的な金融政策が維持された一方、参加メンバーによる先行き見通しで「2023年までの利上げ開始」が示唆された。足元のインフレ高進は一時的であり、雇用状況の一層の改善などを伴ってインフレ率は次第に低下すると予想されるが、2022年末にかけては力強い景気回復のもとで政策目標の2%を上回って推移する可能性が高い。今回のFOMCを受けて、「2022年テーパリング開始・2023年利上げ開始」シナリオの蓋然性は高まったと考える。

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