2021.09.28

米国経済:10~12月期以降は成長再加速へ

米国では、デルタ株流行によってコロナ感染第4波が続く中、これまで持ち直してきた人々の外出行動が再び抑制され、サービス関連の消費や雇用の改善にブレーキがかかるなど、足元の景気が減速している。しかし一方で、企業などでワクチン接種義務化の動きが広がり、ワクチン普及ペースが再加速している。早期の感染収束と外出行動の持ち直しが期待されるもとで、①過去の経済対策による家計貯蓄の積み上がり(十分な購買余力)、②労働者の復職による雇用改善ペースの再加速、③企業による在庫復元の動きなどにより、米国経済は今年10~12月期から来年にかけて高成長になることが期待される。なお、9月のFOMCは、量的緩和の縮小(資産購入ペースの減速)を近く始める考えを示唆したが、利上げ開始が2023年入り以降となる可能性も十分にあるなど、緩和的な金融政策が当面の米国経済の回復を支える構図は基本的に変わらない。

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