2021.10.25
7~9月期の米国景気は、コロナ感染第4波を受けて減速し、実質GDP成長率は4~6月期の前期比年率+6.7%から低下した公算が大きい。しかし、コロナワクチンの接種が進み、一部でブースター接種も始まる中、新規感染者数は10月にかけて減少し、人々の外出行動も再び持ち直しに向かっている。そのため、①過去の経済対策による家計貯蓄の積み上がり(十分な購買余力)、②労働者の復職による雇用情勢の本格回復(企業の人手不足の緩和・解消)、③物流など供給網の機能回復と在庫復元への取り組みなどを背景に、米国景気が速やかに再加速し、インフレ圧力も次第に鎮静化していく――とのメインシナリオの蓋然性は引き続き高いと判断している。