2021.11.26

米国経済:ワクチン普及策強化と雇用情勢の一段の改善で景気再加速へ(改定見通し)

米国では、足元でコロナ感染が再拡大しているが、一方でワクチン接種義務化や子どもへの接種開始など、ワクチン普及に向けた取り組みも再加速している。そのため、コロナをめぐる混乱は来春までには沈静化すると期待できる。こうした想定のもとで、米国景気の底堅さは維持され、7~9月期に減速した成長ペースも、今後2022年央に向けて再び加速していく展開を予想する。具体的には、①セール期間の前倒し拡大や潤沢な家計貯蓄を背景とした年末商戦の活況、②行動制約の再強化が回避されるもとでの人々の外出機会の持ち直しとサービス消費の拡大、③失業保険の追加給付打ち切り、学校登校の再開を受けた、雇用環境の改善ペース加速と企業の人手不足解消、を見込む。また、④人手不足の解消が、企業の増産・在庫復元、物流機能の改善などを通じてインフレ圧力の低下にもつながると見る。以上のシナリオに基づいた新しい成長率予想は、2021年+5.5%、2022年は+4.5%、2023年+2.2%である。

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