2022.01.28
昨年12月半ば以降、オミクロン株の流行によりコロナ新規感染者が急増し、人流が抑制されている。従って、1-3月期の景気は、前期比年率+6.9%の高成長となった昨年10-12月期から再び減速する可能性が高い。しかし、直近の感染者数にピークアウトの兆しが見られるほか、ブースター接種の有効性が公式に示された中でワクチンの一層の普及も期待できる。そのため、今春にコロナをめぐる混乱が沈静化するとの想定のもと、①外出機会の回復と潤沢な家計貯蓄を背景に、個人消費がサービス分野を中心に拡大する、②労働者の復職が進み、企業の人手不足も解消に向かう、③供給制約の緩和に伴い、企業が在庫復元のための増産を進める、といった4-6月期以降の景気再加速シナリオを維持する。また、供給活動の正常化やFRBによる3月以降の利上げによりインフレ圧力は後退し、金融政策の出口戦略に伴う景気への影響は潤沢な家計貯蓄が個人消費を下支えることなどにより吸収できると見る。