2022.02.22

米国経済:利上げ局面に入るが、コロナ収束と潤沢な貯蓄により景気回復基調を維持(改定見通し)

米国では、人手不足が供給制約要因となる中で、1月のインフレ率が7.5%まで上昇した。1~3月期は、そうした高インフレやオミクロン株蔓延の影響により景気が一旦減速する可能性が高い。しかし、コロナ感染状況はすでに改善に向かっており、社会・経済活動への影響は今後さらに縮小していくと想定できる。そのため、4~6月期以降の景気については、①外出機会の回復と潤沢な家計貯蓄を背景に、個人消費がサービス分野を中心に拡大する、②労働者の復職が進み、企業の人手不足が解消に向かう、③供給制約の緩和に伴い、企業が在庫復元のための増産を進める、といった形で再加速するとのシナリオを維持する。FRBは夏場を中心に今年末までに計1.25%Ptの利上げに踏み切ると見込まれるが、潤沢な家計貯蓄などが下支え役となり、景気回復基調を維持しつつインフレ沈静化を達成できると予想する。以上のシナリオに基づく米国の成長率予想(今回改定)は、2022年+3.9%、2023年+2.2%である。

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