2022.10.06

日本経済:広がる物価上昇、高まるインフレ期待

日本の消費者物価は、財やサービスなど幅広い商品で価格転嫁が進み、前年比の上昇ペースが加速している。消費者物価の個別品目毎の上昇率を並べた分布(品目価格変動分布)は、前年比が概ねゼロ%の品目が減少、上昇幅の大きい品目数が増加しており、物価上昇の裾野は拡大している。また、日銀短観の9月調査では、企業の物価見通しが上方修正され、価格転嫁の動きがさらに広がるとみられる。今後については、コア消費者物価は9月に3%に達し、10月はさらに伸び幅を拡大すると予想する。企業の価格転嫁のスピードや程度がデフレ下の経験則から想定される以上のものとなり、2%を超える消費者物価の上昇が、資源高や円安の影響が一巡したあとも継続する可能性に留意したい。

執筆者紹介

副主任研究員 中浜 萌

執筆者紹介ページを表示