2024.07.29

米国経済:景気は堅調も過熱感薄く、インフレ鈍化が継続

4~6月期の実質GDP成長率(前期比年率)は+2.8%と13月期の+1.4%から伸びを高め、景気の基調を示す国内民間最終需要も+2.6%堅調な伸びとなった。国内需要は、価格下落による財(モノ)の消費増や変動の激しい品目の設備投資増が全体を押し上げたものの、それらを差し引いても景気の底堅さが確認された。また、インフレ率は、サービス業を中心とした労働コストの伸び鈍化を背景に、6月にかけて低下基調にある。景気が急速に悪化する懸念が低下したもとで、FRBは、インフレ鈍化の進捗と景気過熱懸念が小さいことを確認して、9FOMCで利下げを開始することとなろう。秋にかけて景気は減速すると見込むが、利下げが実際に開始されれば、金融環境は緩和方向に向かい、年末にかけて景気は押し上げられると予想する。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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