2024.09.24
米国経済は、底堅い個人消費に支えられて堅調に推移している。一方で、雇用情勢は緩やかな悪化方向にあり、企業の景況感も冷え込んだ状況が続くなど、ちぐはぐさが目立ち始めている。今後、労働市場の冷え込みが個人消費の調整を迫ることで、更なる雇用悪化につながる懸念が増している。そうした中で、FRBは、雇用情勢への支援を強く打ち出す形で、9月FOMCで0.5%Ptの大幅利下げを決定し、今後も利下げを着実に進めることを示唆した。8月はサービス価格の上昇率が幾分下げ渋ったが、労働コストの上昇圧力は弱く、引き続きインフレの再燃懸念が小さいことが利下げの継続を後押ししよう。先行きは、金利低下を受けて住宅投資や企業活動が持ち直し、個人消費の増勢鈍化による景気悪化を緩和することが見込まれる。