2024.10.07
9月雇用統計では、前月差+25.4万人の雇用増(非農業部門全体)と8月の+15.9万人から大幅に伸びを高め、失業率は8月の4.2%から9月は4.1%まで低下した。また、民間企業の賃金上昇率(時給の前年比)は+4.0%(8月+3.9%)と伸びを高めた。9月雇用統計の底堅さは、労働市場が一本調子で悪化する懸念を低下させるものである。もっとも、その他の雇用関連指標は悪化するものが多く、労働市場が緩やかに冷え込みつつあるとの評価は変わらない。FRBは、インフレ鈍化の動きが確認される限り、今後も着実に利下げを進めると予想する。また、賃金上昇の底堅さの背景には労働生産性の上昇があり、物価上昇圧力につながっていないことも分かってきた。ソフトランディング実現の可能性は引き続き高いと考えられる。