2024.10.24
米国経済は国内需要が底堅く推移している。個人消費は、インフレ率が低下する中で、生活必需品を中心として増勢を維持。9月は労働市場の冷え込みが一服したことも、個人消費を支えたとみられる。また、企業の設備投資は、景気の底堅さを背景に増加が続いている。7~9月期の実質GDP成長率(前期比年率)は、前期(4~6月期)の+3.0%に続き、米国経済の巡航速度である+2%を超える可能性が高い。もっとも、人手不足は概ね解消しており、先行きは、労働市場の冷え込みが続くことで、個人消費が下押しされる見通しである。また、足元では、利下げペースが緩やかになるとの見方が強まり、長期金利が上昇していることも、住宅投資や企業活動の回復ペースを遅くするだろう。年末にかけて、景気は緩やかに減速すると予想する。なお、大型ハリケーンの影響で経済指標に歪みが生じており、金融政策の判断は一段と難しくなっている。利下げが遅れ、景気が過度に犠牲になることは引き続きリスクである。