2024.11.25

欧州経済:景気が底堅さを保つなか、政情不安定化がリスクに

ユーロ圏の2024年7~9 月期の実質GDP 成長率は前期比+0.4%と、景気回復が持続。先行きも、実質所得の増加によって個人消費は底堅く推移し、ユーロ圏景気は回復傾向が続く見通し。国別では、フランス・スペインで堅調な景気回復が続いたほか、ドイツも市場予想に反してプラス成長となった。

ドイツでは、予算案を巡る対立によって連立政権が崩壊したことで、来年2月に総選挙を実施予定。景気停滞への対策が一段と遅れるほか、地政学リスクが一段と高まる懸念も生じている。

英国の2024年7~9 月期の実質GDP 成長率は前期比+0.1%とプラス成長を維持した。インフレの再加速が見込まれるなか、スターマー政権の打ち出した大規模支出・増税策の影響を注視する必要がある。

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副主任研究員 高野 蒼太

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