2025.03.07
トランプ政権は、3月4日に、メキシコとカナダからの輸入品に対する関税引き上げを発動した。その後、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に適合した輸入品は関税賦課を約1か月猶予するなどの緩和措置が打ち出されたが、並行して実施された中国からの輸入品への追加関税を含めれば、米国の平均関税率は歴史的な高水準に達した。今後はインフレ圧力が強まり、個人消費が下押しされることが見込まれる。また、関税政策の不透明感が強まることで、企業活動も混乱している。1月は、財(モノ)の消費が低迷したにもかかわらず、関税回避目的と考えられる輸入が急増した。また、企業のマインド指標からも、財需要の減速感を認識しつつも、在庫を増やさざるを得ない動きが示唆されている。景気の不透明感が強まる中、企業の労働需要や設備投資意欲の減退につながらないか注視される。