2025.03.25
トランプ政権の関税政策を巡る不確実性が高い中で、FRBは政策金利を据え置きながら様子見姿勢を維持している。もっとも、景気悪化とインフレ圧力は確実に近づいている。個人消費は、トランプ政権の政策不確実性や株価下落などを背景に消費者のマインドが悪化し、増勢が弱まっている。企業は、関税引き上げ前に駆け込み輸入で在庫確保を進めるなど、活動が混乱する様子がうかがえる。企業の労働需要は底堅さを維持しているものの、パートタイムを余儀なくされる就業者が増え、雇用環境は悪化の兆しがうかがえる。こうした中、物価は、サービス価格の緩やかな伸び鈍化が続く一方で、財(モノ)の価格が上昇基調に転じている。トランプ政権の関税政策の実施継続が見込まれるもとで、駆け込み需要の発生とその反動減で景気の振幅が大きくなりながら、景気悪化とインフレ圧力が強まるスタグフレーション的な経済状況に向かうことが見込まれる。