2025.07.04

欧州経済:猛暑と干ばつが新たな景気下振れリスクに

欧州各地を襲う記録的熱波と雨不足が、市民生活と経済活動に深刻な影響を及ぼしている。すでに建設現場の作業中止や山火事による農場焼失が発生しているほか、学校の休校増による保護者世帯の稼働低下も懸念される。また、エアコン需要の急増と原発の稼働制限が重なり、電力価格への上昇圧力も強まる状況。加えて雨不足による河川水位低下で、ライン川を中心とした内陸水運が停滞。金属鉱石や石油製品、化学製品など製造業向け物流に遅延とコスト上昇が発生しており、ドイツを中心に新たな景気の下振れリスクに。

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副主任研究員 高野 蒼太

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