2025.09.29

欧州経済:輸出が停滞するも、景気は底堅さを維持

ユーロ圏では、トランプ関税と駆け込み需要の剥落によって輸出が停滞。7月の米国向け輸出は前年同月比▲4.5%と2か月連続でマイナスに。一方、良好な雇用環境と落ち着いた物価動向を背景に、個人消費は堅調に推移しており、景気を下支え。
ECBは政策金利を2会合連続で据え置き。ラガルド総裁の発言はややタカ派に傾いたものの、トランプ関税による景気下押し圧力が徐々に顕在化するなか、弱含むユーロ圏景気を下支えすべく、ECBは緩和的なスタンスを維持すると予想。
フランスでは2026年度予算案を巡る対立でバイル首相が辞任し、ルコルニュ前防衛相が新首相に就任。議会構成が変わらないなか、当面は政局が不安定な状況が続く公算大。政局の混乱を受け、フランスの金利への上昇圧力が高まっており、一時的に同国の10年債利回りがイタリア国債を上回る場面も。

執筆者紹介

副主任研究員 高野 蒼太

執筆者紹介ページを表示