2025.11.06

日本経済:毎月勤労統計(9月)実質賃金のマイナスが続く

9月の現金給与総額の伸びは前年同月比+1.9%と、前月(+1.3%)から加速した。ボーナスなどを含む特別給与の伸びがプラスに転じた(▲7.8%→+4.5%)ことが主因。もっとも、賃金上昇率がインフレ率に追い付かない状況は続いており、物価上昇を除いた実質ベースの現金給与総額は▲1.4%と、9か月連続でマイナスとなった。
先行き、実質賃金は遅くとも2026年入り後にはプラスに転じる見通し。2025年度内の名目賃金上昇率が概ね2%台前半で推移するとみられるなか、消費者物価の伸びは鈍化傾向が続くと見込まれるためだ。その後、2026年度の春闘でも4%台半ば以上の高い賃上げ率が予想されるなか、物価上昇も落ち着くことで、来年にかけて実質賃金のプラスが定着するとみている。

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副主任研究員 高野 蒼太

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