2025.12.11
12月9~10日のFOMCでは、3会合連続となる0.25%ptの利下げが決定され、政策金利は3.5~3.75%となった。パウエル議長は、利下げの理由として、労働市場の冷え込みが続いていることを挙げた。また、今回の利下げにより、政策金利は「中立金利の上限に位置した」と言及し、今後の利下げペース鈍化を示唆した。FOMCメンバーによる経済見通しでは、2026年、2027年に0.25%ptの利下げが実施されるとの予想が中央値であり、現時点ではこの先年1回程度の利下げが進むことがメインシナリオとなり得る。もっとも、今回の政策決定には3人もの反対票が出るなど、FOMCにおける合意形成は困難さを増している。さらに、来年には、次期議長としてハト派(利下げに積極的)の人物が選出される公算が大きいほか、タカ派が多い連銀総裁が交代させられるリスクも無視できなくなってきた。トランプ政権の政治圧力を背景に、FRBが現在よりハト派化し、今会合で示された方向性より利下げが進むリスクシナリオには引き続き注意が必要だろう。