2026.01.26

米国経済:個人消費と生産性改善が示す景気の底堅さ

米国経済は、屋台骨である個人消費を中心に、底堅い拡大が続いている。個人消費は、堅調であった昨夏からは増勢が鈍化しているものの、財(モノ)とサービスともに底堅さを維持している。労働市場の低迷により所得の伸びが鈍化する中でも、株価上昇による資産効果が想定以上に消費を支えているとみられる。また、トランプ関税の価格転嫁が続く中にあっても、サービス価格の伸びが緩やかな鈍化基調にあることが消費を支える要因となっている。先行きについては、資産効果が徐々に弱まり、一旦は雇用・所得環境の悪化が個人消費を下押しすると見込まれる。ただし、春以降はトランプ減税の還付金支払いにより個人消費が支えられ、累積的な利下げの効果やトランプ関税の悪影響が一巡することも背景に、景気は底堅く推移すると予想する。なお、昨年央にかけては労働生産性の伸びが高まった。AI技術の活用が進む「情報」と「専門・事業サービス」産業に加え、「製造業」においても生産性の向上が目立った。その他の業種の生産性の変化が明確ではなく、AI技術の導入の進展度合いについては不透明感が残るが、経済成長のアップサイドリスクとして引き続き注視が必要である。

執筆者紹介

上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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