2026.02.24

日本経済:インバウンド産業のリスクは日中関係の悪化よりも円安反転 -持続的な成長のために求められる「量」から「質」への方針転換-

インバウンド産業は日本経済を支える一大産業になりつつあるが、足元では日中関係の悪化により訪日中国人観光客が急減。中国人観光客はインバウンド消費の2割以上を占めるため、東海・近畿地方や百貨店など、局所的には悪影響が顕在化。もっとも、他国・地域からの流入や日本人の国内旅行の増加が相殺することで、日本の観光産業全体への影響は限定的となる見込み。
日本の観光業にとってより大きなリスクは、円安トレンドの反転。これまでの一人当たりインバウンド消費額の伸びはインフレと円安でほぼ説明可能であり、円高が進行すれば消費額も落ち込む恐れ。
特定の国との関係悪化や為替相場の変動を乗り越え、日本が観光立国として持続的成長を実現するには、オーバーツーリズム抑制も踏まえた「量」から「質」への発想の転換が不可欠。高付加価値化と富裕層誘致を通じて、円安頼みではないインバウンド産業の成長モデルを構築する必要。

執筆者紹介

副主任研究員 高野 蒼太

執筆者紹介ページを表示