2026.03.06
国際緊急経済権限法(IEEPA)を法的根拠とするトランプ関税に対し、最高裁が違憲判決を下した。これを受けて、トランプ政権は、相互関税やフェンタニル関税などを取り下げ、代替措置として通商法122条を根拠に原則10%の一律関税を課した。その結果、違憲判決前と比べて、米国の平均関税率は幾分低下しており、これは米国経済にとってポジティブと考えられる。もっとも、トランプ政権は今後の関税政策について複数の選択肢を示している。関税を交渉ツールとして維持したい意向があるとみられ、不確実性の高まりは景気にとって逆風となる。特に中国向け関税は、違憲判決後に大幅に低下しており、3月末~4月初めの実施とされる米中首脳会談を踏まえ、再引き上げの可能性がある。一方で、トランプ関税に対する米国民の支持は弱く、生活への影響が大きい品目は対象から除外されるなどの緩和措置が講じられてきた。関税収入確保の観点から大幅な引き下げの可能性は小さいものの、全体としては比較的穏健な関税政策が維持されると見込まれる。