2026.03.06
タイ経済は足元で底打ちの動きがみられる。実質GDP成長率は2025年10~12月期が前年比+2.5%と前期から加速した。もっとも、政策要因によって押し上げられた面が大きく、2025年を通してみると、内外需ともに景気は勢いを欠いた。高水準の家計債務や所得の伸び悩みが個人消費の重しとなったほか、通貨高も輸出の逆風となった。
こうしたなか、タイ中央銀行は、2月に2会合連続となる利下げに踏み切った。インフレ圧力が乏しいなかで景気の下支えを図るとともに、過度な通貨高をけん制する狙いもにじむ。
先行きは、力強さを欠く展開が見込まれる。通貨高が引き続き外需の重しとなるほか、財政拡張・金融緩和の余地は限られており、政策による内需の押し上げ効果も大きくは期待しにくい。こうした環境下で4月に発足する新政権が、財政制約と景気対策のバランスをとりながら、成長戦略をどこまで推し進められるかが注目される。