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研究員紹介/小林 泰斗

副主任研究員

産業調査センター

小林 泰斗

担当分野
半導体

プロフィール

2013年東京大学法学部卒業。同年に株式会社三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行し、産業・政策調査、事業企画等に従事。2024年1月より現職。

難解な「半導体」の世界をわかりやすく伝える

半導体は、今では社会や経済、技術の発展を支える重要インフラという認識こそ広まっていますが、世の中に存在する半導体関連の情報や解説には、化学や電気工学の知識を前提としていたり、特に前置きなく専門用語が使われているものも多く、普段あまり半導体に触れていない方々の多くは、よくわからない、馴染みにくい分野という印象を持っているかと思います。私のミッションは、そんな半導体に関する知識や、進化を続ける技術や目まぐるしく変化する業界環境などの最新動向を、伊藤忠グループ社員をはじめとした皆様に、わかりやすく、役に立つ形にしてお伝えすることです。私自身も文系出身ですが、自分が半導体を学び始めた頃の経験を生かし、いかにわかりやすく、興味を持ってもらえる内容になるかを常に意識して発信を行っています。

「原子レベル」から「国際社会」まで語れる魅力

半導体が興味深いのは、ミクロからマクロ、科学から政治・社会に至るまで、様々な側面が存在する点です。例えば科学的な側面でみると、半導体の設計寸法は回路線の幅が数ナノメートル(=10億分の1m)という、原子サイズに迫る次元に達していますが、その製造のために各工程で最新の技術が導入され、製造装置や材料を含めて巨大な産業領域を形成しています。一方で政治・社会的な側面に目を向けると、半導体は我々の身の回りのあらゆる製品に搭載されて日々の生活を支えると同時に、安全保障にも直結する重要戦略物資でもあり、今まさに国家間の覇権争いの焦点となっています。その他にも、AIやコンピュータの進化、エネルギー・環境問題との関連など、例を挙げていくとキリがないですが、あらゆる切り口・視点で語れるのが最大の魅力ですね。

面白さを伝えて「面白い未来」に貢献したい

半導体分野の調査・分析にあたっては、情報の深さと広さの両方が必要です。まず、「深さ」の面では、公開ソースから得られる情報に留まらず、企業や半導体産業が盛んな国・地域を訪問し、現地の生の声を積極的に集めることが重要です。また、「広さ」に関しては、半導体本体の調査に留まらず、AIやEVの先行きがどうなるのか、光電融合や量子コンピュータ等の最新技術の現在地がどこにあるのかなどの知見も必要であり、この点においては同僚の研究員との協働も重要になると考えています。こうして得られた分析や予測を「面白い」と感じてもらえる形で発信し、より多くの人々に半導体に興味を持ってもらう。その結果、国内の半導体産業が今以上に活気づく、という形で、半導体産業の「面白い未来」に少しでも貢献できたら嬉しいと思っています。

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