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研究員紹介/北山 未央

副主任研究員

産業調査センター

北山 未央

担当分野
サステナビリティ
サーキュラーエコノミー
ライフサイクルアセスメント(LCA)
エネルギー

プロフィール

2011年米国University of California, Berkeley生物学部・経済学部卒業。2013年米国Yale School of the Environment環境経済学修士課程修了。2014年日鉄総研株式会社に入社し、LCA・環境・エネルギー関連の業務に従事。23年より現職。

作る側の視点でルールを読み解く

私は前職で世界中の鉄鋼メーカーの担当者と議論を重ね、鉄鋼製品のライフサイクルアセスメント(LCA)算定方法や、製鉄所からの温室効果ガス(GHG)排出量の算定方法の国際規格(ISO)を策定するという貴重な経験を積むことができました。この経験は、各国の規制やGHGプロトコル等の国際的なスタンダードの動向を読み解く上での強みになっています。これらのルール文書のたった一言一句の違いは、どのような技術やアクションが評価されるかを長年に渡って方向付ける可能性があります。その細部に宿る作り手の意図を意識しながらこれらを読み解くことにより、持続可能な社会への転換期における事業機会の発掘とリスク回避に貢献できると考えています。

LCAを誰もが使える世界を目指して

子どものころから、自分が買ってもらう洋服やお菓子などは誰がどんなところで作っているのか、また捨てた後はどこへ行くのか、気になってしかたがなかったため、大学院でライフサイクルアセスメント(LCA)に出会えた時は本当に嬉しかったです。まさにLCAは、ある製品がどのような原材料からどこでどのように作られ、また使用された後はどこに行くのか…といったストーリーを追いかけ、さらにはその工程全てにおける環境への影響を総合的に評価するためのツールです。LCAの考え方に触れ、日々の生活のなかで使ってみようと思う人が増えれば、環境問題は解決の方向に向かうと考えています。LCAを誰もが使える社会を目指して、わかりやすい発信に取り組んでいきたいです。

持続可能な社会への転換を、伊藤忠グループとともに

持続可能な社会への転換はまだ誰も解を持たない挑戦で、全体最適の観点から方向性を示す力、正しいインセンティブ設計を行う力、革新的な技術や事業を社会実装する力など、多くの力の融合が必要です。また、業界を跨いだ連携も不可欠です。様々な業界のバリューチェーンを繋ぎ、必要なものを必要な人に届けることを得意とする伊藤忠グループには、このような連携を促進する力があると信じています。私もその一員として、異なる業界や立場でこの挑戦に立ち向かう方たちと対話し、何が課題となっているのか、どうやったら克服できるのかを一緒に考え、伊藤忠グループによるソリューションの社会実装に繋げることを目指していきます。