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研究員紹介/浅岡 嵩博

主任研究員

マクロ経済センター

浅岡 嵩博

担当分野
ロシア・CIS
中東・トルコ
アジア

プロフィール

2009年東京大学学士(国際関係論専攻)、2016年UCLA修士課程(公共政策)修了。2009年4月より内閣府に勤務(2019年9月~2020年9月 平将明内閣府副大臣秘書官、2020年9月~2021年10月 藤井比早之内閣府副大臣秘書官、2021年10月~2025年2月 外務省(出向)在ロシア日本大使館一等書記官)。2025年3月より現職。

躍動する新興国の力強い経済進化

30年前、私が育ったマレーシアは発展途上国と呼ばれていました。実際に住んでいた記憶では、停電など不便な部分や衛生的とは言えない環境が残る一方で、人々には活力がみなぎっていました。10年ほど経ち、再び訪れた際には、当時世界一の高さを誇るビルが建設され、新しい高速道路が整備されていました。都市が急速に近代化し、生活環境が劇的に改善され、社会が豊かに発展している様子に強烈な印象を受けました。現在では、こうした著しい成長過程にある国々は新興国と呼ばれており、その存在感は年々高まっています。新興国の世界経済のシェアは、先進国のグループと肩を並べる存在となっており、世界経済の成長を左右する存在となっています。私が担当するロシア・CIS、中東、アジアの国々にはこうした新興国が多くあります。新興国の躍動する経済を分析し、大きく変わる社会や、将来の成長した姿を想像することには、安定的な国の経済分析とは違うエキサイティングな魅力を感じます。

ロシア・中東の経済を最前線での経験から分析

また、別の面でも注目されることが多い地域です。この十年間でも、ロシアや中東は、国際的な対立や軍事的な紛争などで度々世界経済を揺るがすイベントの中心地となってきました。2022年2月にロシアがウクライナに本格的な軍事侵攻を開始したことは、エネルギー価格を高騰させ、世界的な高インフレの一因となりました。同時に、ロシアの経済的損失や経済制裁の効果に対しても関心が集まり、ロシアのマクロ経済の分析の必要性や重要性が大幅に高まりました。ウクライナへの本格的な侵攻が開始された時から、戦場や国際政治を舞台として目まぐるしく情勢が変わる中、モスクワの日本大使館というある意味での我が国の最前線において、ロシア経済現状や先行きを分析する役割を務めたことは、私のキャリアの中でも貴重な経験となりました。

広く見渡し、先を見通す

近年、国際的な分断や対立はますます深まりつつあります。不安定な世界情勢が続く今、統計やデータに基づく正確な分析だけでなく、複雑な国際関係の正しい理解の下、起こりうる可能性を想像していくことが重要です。先の見えない世界を見通すヒントとなるような俯瞰的で臨場感のある分析を提供することを心がけて参ります。

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