2020.09.28
インドネシアは、新型コロナ感染拡大が収束せず、ジャカルタでは活動・移動制限を再び強化。インドネシア経済は4~6月期を底に回復に向かいつつあるが、そのペースは、制限強化を受けて鈍化するとみられる。ただし、政府は景気急減速に危機感を強め、期限付きで財政赤字の上限を緩和し、中央銀行に禁じ手の「財政ファイナンス」を求めた上で、大規模な経済対策を策定・実行に移している。こうした財政支出に加え、年初からの金融緩和の効果も出始めることで、景気の底割れは回避できると考えられる。本格的な景気回復は、インフラ整備予算が大幅に増額され、投資需要の高まりが期待される2021年以降になるだろう。他方で、金融政策における政府の権限を高めるための中銀法改正案の動きが出てきている。中央銀行の機能低下によるインフレ懸念や財政悪化懸念の高まりにより、通貨下落が進みやすい状況にあることには注意が必要だろう。