2021.02.22
インドネシアは、年末年始にかけてコロナ感染が急拡大し、活動・移動制限が一段と強化された。このため、2021年入り後も、個人消費の回復は足踏みを続けている。一方、輸出は、海外需要持ち直しを受けてはっきりと回復しており、企業の設備投資も、政府・中銀による政策に支えられて回復基調にある。こうした中、2021年1月中旬には、新型コロナワクチンの接種が開始された。今後、ワクチン接種が予定通り進めば、夏ごろにはコロナ感染収束に対する期待感が高まり、消費者マインドの改善を背景に個人消費の回復にも勢いがつくことが見込まれる。同時に、2021年に積み増されたインフラ整備予算も、コロナ対策として想定外に振り向けられることがなくなるだろう。ただし、インドネシアが調達予定とするワクチンは、半分程度がまだ交渉中とみられることなどから、ワクチン接種を前提とした景気回復には、相応の不確実性が残ることには注意が必要である。