2022.06.24
予想を上回る5月のCPI上昇率とインフレ期待の上昇を受けて、FRBは利上げペースを一段と加速することを決定した。既に、住宅需要は落ち込み、消費者マインドも悪化するなど景気鈍化の兆しが散見されるが、需給ひっ迫を解消するためには、需要をより早期に大幅に抑制する必要が生じたと考えられる。家計は潤沢に積み上がった貯蓄と堅調な雇用環境に支えられており、個人消費が腰折れることで景気が急速に悪化する可能性は低いが、それでも2022年後半にかけて景気減速感が強まり、2022年通年の成長率は前年比+2%台半ばまで低下すると予想する。2023年も、①比較的堅調な雇用情勢が維持され、②経済が想定を超えて減速した際には早めの利下げが実施されることを見込み、景気の腰折れに至らないと予想する。ただ、ウクライナ情勢等の外的要因により高インフレが長期化する場合など、先行きの不確実性は高く、景気後退に陥るリスクへの警戒を怠れない状況が続くだろう。