2022.08.25
米国経済は、インフレ高進とそれを受けた急ピッチな利上げにより、住宅市場が悪化し、個人消費と設備投資も減速している。今後、一旦はガソリン価格下落が個人消費の追い風となるが、利上げの継続で金融環境が引き締まる中、年末にかけて内需は一段と抑制されることが見込まれる。2023年前半には、何とかプラス成長を維持する状況まで停滞感が強まり、同時に、これまで堅調に推移してきた労働需要が大幅に減少して、サービス業でも賃金上昇圧力が緩和するだろう。サービス価格の上昇は2023年入り後にピークアウトし、国際商品市況やサプライチェーン状況の落ち着きを前提とすると、2023年央にはPCEデフレーターの前年比は2%台が視野に入ると予想する。そうした中、FRBは景気を重視するスタンスに転換し、2023年後半頃からは利下げが実施されることで、2024年にかけて景気が回復に向かうと見込む。これらを踏まえた成長率予想は、2022年が+1.6%、2023年が+0.7%、2024年が+1.6%である。