2024.03.27

中国経済:強力な景気支援策を欠く全人代、5%成長達成の難度は高い

1~2月の主要指標は、輸出や投資が持ち直すも不動産市場は依然低迷。3月上旬に開催された全人代では、2024年の成長率目標を「前年比+5%前後」と2023年から据え置き。財政拡大、金融緩和継続、産業高度化や設備更新のための投資促進などによる下支えを図るも、大規模な景気対策は回避。不動産市場の悪循環に歯止めをかける政策も示されず、成長目標達成の難度は高い。全人代閉幕後の首相記者会見廃止など、政府に対する党のコントロール強化を示唆する動きがみられ、経済政策の不透明性の高まりが懸念される状況。

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主任研究員 玉井 芳野

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