2025.02.26

欧州経済:製造業の低迷が引き続き景気の足かせに

ユーロ圏では引き続き製造業が低迷。2024年12月の製造業生産は資本財や自動車などの生産減少により、17か月連続で前年同月から減少。輸出も振るわず、中国向けの減少と米国向けの鈍化が続く。今後は米中との関係の悪化で一段と輸出が弱含む懸念。家計部門では好調な雇用環境にもかかわらず、エネルギー価格の高止まりが消費者マインドを冷やし、個人消費の伸び悩みの一因に。
ドイツで2月23日に実施された総選挙では、メルツ氏率いるCDU/CSUが勝利。SPDとの「大連立」が有力視されるものの、政権樹立には時間を要する可能性。今後は債務ブレーキの見直しが焦点。
英国の2024年10~12月期の実質GDP成長率は前期比+0.1%と2四半期ぶりのプラス成長となったが、景気は弱含んでいる。BOEは2月の金融政策委員会で0.25%ptの利下げを決定。今後もインフレ警戒姿勢を維持しつつ、緩やかなペースで利下げを進めていくと予想。

執筆者紹介

副主任研究員 高野 蒼太

執筆者紹介ページを表示