2025.05.27

中国経済:米中関税引き下げ合意成立も、不確実性は残存

2025年4月の主要指標は、消費財買い替え促進策の効果で消費が底堅く推移したものの、トランプ関税を受け対米輸出が大幅減、投資も減速。不動産市場もやや悪化。5月12日には米中両国が追加関税の大幅引き下げで合意も、米国の対中追加関税は30%と依然高水準、対米輸出への下押し圧力は継続。両国間の協議が進展せず、90日間の停止にとどまっている24%分が再度適用となる可能性も相応に高く、不確実性が残存。中国政府は金融緩和など景気支援を強化も、財政政策については債券の発行・使用加速にとどまる。今後は輸出減少に加え、不確実性の高まりを受けた設備投資停滞など内需への波及もあり、景気減速は避けられない見込み。

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主任研究員 玉井 芳野

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