2025.08.26

欧州経済:トランプ関税の影響が徐々に顕在化(改定見通し)

ユーロ圏ではトランプ関税の影響が徐々に顕在化している。4~6月期の実質GDP成長率は前期比+0.1%と前期から減速し、主要国ではドイツとイタリアがマイナス成長となった。年後半は、駆け込み需要の反動と関税負担の増加によって輸出の停滞が続く公算が大きいほか、設備投資も盛り上がりに欠けると見込まれる。一方、堅調な個人消費が下支えとなることで景気は腰折れを回避し、2025年のユーロ圏の成長率は前年比+1.0%になると予想する。2026年にはドイツを中心としたインフラ投資の拡大も追い風に成長率は+1.3%へと加速し、その後は概ね潜在成長率程度の成長ペースへと落ちつく見通し。

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副主任研究員 高野 蒼太

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